子宮がん検診
子宮がんには、子宮の入口に出来る頚がんと、奥の内膜から発生する体がんがあります。以前は日本では頚がんが圧倒的に多かったのですが、生活の欧米化に伴い体がんが増えてまいりました。また、近年、頚がんについては若年化が問題になっています。
子宮頚がんの原因
頚がんの原因は、SEXによってHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスが子宮の入口に感染し、その中の高リスクのウイルスが長期に渡り持続感染することによって、一部の人にがんが発生します。
- 初めてのSEXから3年すると頚がんが発生するリスクが生じます。
- 初体験の年齢が下がった結果が頚がんの若年化の原因です。
頚がん検診
平成16年度より、全国市町村の頚がん検診の対象者が20歳と、従来の30歳より一気に引き下げられました。
当院は以前より子宮がん検診に力を入れており、検診の正診率upの為に「コルポスコープ」という膣拡大鏡診も併用しています。
異型細胞が見つかった場合
異型細胞が見つかった症例には積極的にコルポ下で生検(バイオプシー)を行い、確定診断を行います。
また、HPV(ヒトパピローマウイルス)検査(自費で¥11,000/税込)も行っています。
子宮がん検診の流れ
予約不要です。
Step1 問診
現在の病状、既往歴、家族歴、過去の検診の受診状況等、初潮年齢や生理の様子、妊娠・出産の経験の有無、月経の状況、自覚症状の有無、などについてお聞きします。
Step2 視診(内診)
内診台で、膣鏡を使用して子宮頸部の状態を確認します。
この時、頸管ポリープなどを発見することがあります。
その後、内診にて子宮の形、大きさ、位置、表面の凹凸、硬さ、圧痛の有無、子宮可動性を確認します。
Step3 子宮頸部細胞診
頸部表面を擦過(こする)して行います。
細胞採取は、取り残しのない様エンドサイトというプラスチックのヘラを使用して念入りに行います。痛みはありません。
※妊娠中の方、びらんのある方、膣炎のある方は軽く出血する事がありますが、すぐに止血しますのでご心配いりません。
Step4 膣拡大鏡診(コルポスコープ)
細胞診のみの正診率は約80%です。
当院では、正診率向上のため細胞診と合わせて膣拡大鏡診を行います。
HPVウイルスの感染の有無と視診で見つからない小さなポリープなどを発見できる場合があります。
Step5 エコー検査(※別途保険適応にて行います)
※エコー検査につきましては、別途保険適応にて行います。
純粋な意味では子宮がん検診には含まれませんが、頸部のう胞、子宮内膜の肥厚、不整など、その後の癌の診断に関係する所見を得る事が出来ます。
同時に卵巣の状況も観察します。
Step6 診断
異型細胞がある場合は、当院にて生検(バイオプシー)まで行います。
子宮体がん検診が必要な方は以下の条件です。
- 説明のつかない不正出血、特に更年期前後の方は症状を見逃さないでください。
- 長期間の生理不順のある方は、若い方でも対象になる場合があります。
- エコーで子宮内膜の肥厚、不整の疑われる方
当院では子宮鏡検査を併用し、細胞採取についてはエンドサイトという器具を使用します。
子宮がん検診の費用
公的検診の場合
《川崎市》 (20歳以上2年に1回受診の権利あり) |
頸がん細胞診:自己負担 1,000円 |
《横浜市》 (20歳以上2年に1回受診の権利あり) ※当院は横浜市と契約しているので、当院でも受けて頂けます。 |
頸がん細胞診:自己負担 1,360円(膣拡大鏡診含む) |
これ以外に、川崎市・横浜市とも5年に1回無料券が送付されますので、どうぞご利用ください。
不正出血などがあって、同時に子宮体がん検査が必要と思われる場合は、患者さんの同意を得た上で、同日に検査を受ける事ができます。
川崎市 | プラス 800円 |
横浜市 | プラス 1,260円 |