メニュー

女性内科

女性はライフスタイルの中で、誕生から幼少期、月経の始まり、思春期、妊娠、出産など、体の大きな変化を受け、更年期、老年期を迎えます。そのような複雑なサイクルの中で女性特有の疾患を患うことがあります。
当院は、女性の皆様に健康な状態を保っていただくために健康チェック、検診を行い、種々の疾患の予防に心掛け、それらの疾患の早期発見、早期治療を行います。
また、一般的な内科疾患、高血圧症・脂質異常症(高脂血症)・糖尿病などの生活習慣病、甲状腺疾患、骨粗鬆症についても、女性ヘルスケア専門医として最適な治療をいたします。

女性内科とは

風邪・胃腸炎・下痢・便秘・花粉症などの一般的な内科疾患に加え、高血圧症・脂質異常症(高脂血症)・糖尿病などの生活習慣病、甲状腺疾患や骨粗鬆症など女性特有の病気の診療を行っています。
まずは当院で初期治療を行い、必要に応じて専門の医療機関に紹介させていただきます。

女性に多くみられる内科疾患

高血圧症

高血圧とは、血圧が高い状態を維持していることをいいます。自覚症状のない場合が多いですが、慢性的に血管壁に負担がかかると動脈硬化を促進し、虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などの発症リスクにつながります。
高血圧は原因不明の場合が多いですが、喫煙、飲酒、塩分過剰摂取、肥満、運動不足、ストレスなども関係しているといわれています。

症状
  • 自覚症状はほとんどありません。
  • 肩凝り、めまい、動悸、息切れなどの症状が出る場合もあります。
診断

一時的には診察室で計測した収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg、家庭で測定した収縮期血圧が135mmHg以上、または拡張期血圧が85mmHg以上であれば、高血圧と診断されます。

治療

まずは血圧のコントロールをするために生活スタイルの改善が大切です。適度な運動、塩分を抑えた食事、禁煙、適正な体重維持が基本となります。
改善がみられない場合は、降圧剤を処方します。

脂質異常症(高脂血症)

血液中のコレステロールや中性脂肪が基準値よりも高くなる病気です。
脂質異常症は動脈硬化の危険因子であり、その管理は冠動脈疾患や脳血管疾患の発症予防のために重要です。
原因として、エネルギーの過剰摂取や肥満、家族性高コレステロール血症、甲状腺機能低下症、糖尿病、妊娠、腎不全、薬剤性などがあります。

症状
  • 自覚症状はほとんどありません。
診断

空腹時(10時間以上の絶食)の採血で、LDL-C(悪玉コレステロール)が140mg/dL以上、HDL-C(善玉コレステロール)が40mg/dL未満、TG(中性脂肪)が150mg/dL以上、いずれかに該当すると脂質異常症と診断されます。
女性は閉経後に脂質異常症になりやすいですが、閉経前に脂質異常症と診断された場合には、家族性高コレステロール血症を疑う必要があります。

治療

まずは生活習慣の改善が重要です。治療は①食事療法、②運動療法、③薬物療法を組み合わせます。

①食事療法

飽和脂肪酸とコレステロールの摂取を少なく、オメガ3系脂肪酸(青魚など)を多く摂取します。

②運動療法

30分以上の運動を週に3日以上行います。

③薬物療法

食事療法と運動療法で改善がみられない場合は、コレステロールや中性脂肪を低下させるスタチン系、フィブラート系などの内服薬を処方します。

糖尿病

糖尿病とは、血糖値を下げるインスリンの分泌量が減少している状態、またはインスリンの働きが低下し、常に高血糖値が持続している状態です。
この状態が長期間に渡って続くと、全身の血管障害が起こり、糖尿病三大合併症と呼ばれる糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害など、生活の質を低下させる病気につながるほか、心筋梗塞や脳梗塞などの大血管病変のリスクがあります。
糖尿病が疑われる女性の割合は40~60歳代にかけて急激に増加します。閉経は糖尿病の危険因子ではありませんが、更年期以降に糖尿病を発症しやすいとされ、この時期の予防管理が重要です。

糖尿病の種類
1型糖尿病

免疫異常により、インスリンを産生する膵臓の細胞破壊が起こって発症します。
若い世代に多いことが特徴です。

2型糖尿病

インスリンの分泌量が減少、または低下することで、血糖値が上がります。
高脂肪、高カロリー、食物繊維不足などの食生活、運動不足、肥満、ストレス、睡眠不足、喫煙などの生活習慣の乱れが主な原因で、全体の約9割以上を占めています。

その他の糖尿病

妊娠を契機に発症する妊娠糖尿病、ステロイドの服用などで発症する二次性糖尿病があります。

症状

初期は自覚症状がほとんどありません。

診断

血液検査の結果、血糖値やHbA1cという値が基準よりも高い状態が続けば、糖尿病と診断されます。

治療

1型糖尿病の場合は、インスリンの分泌量が不足しているため、インスリン注射を行います。
2型糖尿病の場合は、多くは生活習慣の改善で血糖コントロールが安定しますが、コントロール不良の場合は薬物療法となります。

甲状腺疾患

甲状腺機能亢進症であるバセドウ病は20~50歳代、甲状腺機能低下症である橋本病は20~60歳代に多くみられ、圧倒的に女性に多い疾患です。
更年期障害の治療を受けてもなかなか改善しない方の中には、甲状腺疾患が隠れていることもあります。

症状
  • 月経周期の乱れ、発汗、動悸などの血管運動神経症状
  • うつ状態、イライラ、不安感、無気力などの精神神経症状
  • 肩こり、筋力低下などの骨格系症状
診断

血液検査を行います。

治療

患者様の状態に応じた内服薬を選択し、服用いただきます。

骨粗鬆症

骨粗鬆症は骨がもろくなって骨折しやすくなる病気です。
骨折リスクを考えるときに、骨密度(骨量・骨塩:カルシウムの量)以外に骨質(コラーゲン)という概念があります。骨を鉄筋コンクリートに例えると、鉄筋がコラーゲン、コンクリートがカルシウムです。コンクリートだけが多くても、つまり骨密度が高くても、コラーゲンの状態、鉄筋の弾力性が低ければ骨折しやすいという考えになりますが、現在のところ骨質をマーカーとして捉えることはできません。
骨は破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成により新陳代謝を繰り返しています。骨芽細胞の骨形成能力は加齢とともに低下し、特に閉経してエストロゲンが減少すると破骨細胞の勢いが強くなって骨密度が急激に低下します。

症状

骨粗鬆症自体には、痛みなどの自覚症状はありません。

診断

骨粗鬆症の診断は骨密度(骨量)測定検査の結果をもとに行います。
骨密度測定方法のうち、X線による手の骨密度測定は感度が低く、超音波によるかかとの測定は誤差が大きいです。そのため、2種類のX線を使うDXA(デキサ)法で腰椎と大腿骨の2箇所を測定することをお勧めしています。当院より、DXA法の検査ができる医療機関をご紹介し、そこで受けていただきます。患者様の骨密度測定値がYAM値「若年成人平均値」(20~40歳)の70%未満の場合、骨粗鬆症と診断されます。
また、血液や尿中の骨代謝マーカーから骨代謝の状態を知ることができます。骨吸収マーカーとしてはNTX、TRACP-5bなどがあり、骨形成マーカーとしてはBAPなどがあります。骨代謝の状態を知ることで治療薬の選択や治療方法の評価ができます。

治療

内服薬や注射などによる治療を行います。
骨吸収が過剰な患者様には、骨吸収を抑えるビスホスホネート製剤・活性型ビタミンD3製剤・SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)・抗RANKL体薬(6カ月に1回の注射)を、重症患者様には骨形成促進薬の注射などがあります。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME