骨粗鬆症とは
骨粗鬆症は骨がもろくなって骨折しやすくなる病気です。
骨は破骨細胞による骨吸収と、骨芽細胞による骨形成という新陳代謝を繰り返しています。
骨芽細胞の能力は、加齢とともに低下し、特に閉経してエストロゲンが減少すると破骨細胞の勢いが強くなって骨密度が急速に低下します。
骨密度(骨量)の測定方法のうちX線による手の骨密度測定は感度が低く、超音波によるかかとの測定は誤差が大きいので、2種類のX線を使うDXA(デキサ)法で腰椎と大腿骨の2ヶ所を測定する事をおすすめします。
YAM値とは
骨密度の「若年成人平均値」(20歳〜44歳)のことで、患者さんの測定値がYAM値の70%未満の場合、骨粗鬆症と診断します。
骨代謝の状態とは
血液や尿中の骨代謝マーカーから知る事ができます。
骨吸収マーカーとしてはDPD・NTXなどがあり骨形成マーカーとしてはBAPなどがあります。
この測定値から治療薬の選択や治療効果の評価が可能となります。
骨吸収が過剰なタイプには、骨吸収を抑えるビスホスホネート製剤・活性型ビタミンD3製剤・SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)を、重症患者には骨形成促進薬の注射を使用しています。
さらに平成25年6月破骨細胞の形成を促すタンパク質への抗体薬(6ヶ月に1回注射)も認可された。
最近、骨折のリスクを考える時に、骨密度(骨量・骨塩:カルシウムの量)以外に骨質(コラーゲン)という概念が生まれました。
骨を鉄筋コンクリートに例えると、鉄筋がコラーゲン、コンクリートがカルシウムです。
コンクリートだけが多くても、つまり骨密度が高くてもコラーゲンの状態、鉄筋の弾力性が低ければ骨折しやすいという考えですが、現在のところ、骨質をマーカーとしてとらえる事はできません。