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月経困難症・月経不順・月経前症候群(PMS)

生理痛などの月経に伴う様々なトラブルを「月経困難症」、生理周期が乱れていることを「月経不順」といいます。いずれの症状も隠れた病気が原因となっているケースがあり、将来不妊症になってしまうリスクもあります。
月経前症候群(PMS)は、月経前3~10日間にみられる身体的あるいは精神的症状で、月経開始とともに症状が消失します。患者様の生活の質をあげるために様々な治療法があります。
当院では、一時的な症状緩和ではなく根本的な解決を目指しています。少しでもおかしいと感じたら、早めに受診してください。

月経困難症とは

生理期間中に様々なトラブルが生じることを「月経困難症」といいます。
月経困難症は背後に病気が隠れていることもあります。
痛みが少しでもあれば、ご相談ください。毎回寝込んでしまうほどの強い痛みがある方や徐々に悪化する生理痛のある方は、将来不妊症になるリスクがあり、特に注意が必要です。

症状
  • 下腹部痛、腰痛、頭痛
  • 吐き気、嘔吐
  • のぼせ、しびれ、めまい
  • 便秘、下痢
  • 食欲不振
  • 精神的に不安定、イライラする

月経困難症の原因

月経困難症は「器質性月経困難症」と「機能性月経困難症」の2つに分けられます。

器質性月経困難症

病気が原因で起こる月経困難症です。

月経困難症を引き起こす病気例

・子宮内膜症

子宮内膜に似た組織が子宮の外にできる病気です。生理と同様に出血が起こりますが、血液が子宮外に排出されません。溜まった血液が原因で、炎症や周囲組織との癒着を引き起こします。
生理を重ねるごとに進行し、痛みも強くなっていきます。

・子宮腺筋症

子宮内膜に似た組織が子宮平滑筋組織の中にできる病気です。
エストロゲンという卵胞ホルモンが影響を与えるため、生理がある限り進行していきます。
40代の女性や経産婦に多くみられます。

・子宮筋腫

子宮平滑筋という筋肉組織由来の良性腫瘍です。がんではありませんが、貧血や痛みなど、様々な症状を引き起こします。
子宮筋腫が大きくなると不妊症や流産の原因となることもあります。

・子宮内膜ポリープ

子宮の奥の方にできるポリープです。ほとんどが良性ですが、稀に悪性の場合もあります。不正出血の症状がみられることが多いです。
ポリープの大きさやポリープができる場所によっては、不妊症や流産の原因となることもあります。

・子宮奇形

生まれつき子宮の形に異常がある状態をいいます。約5%の女性が該当するといわれています。

機能性月経困難症

特に原因となる病気が見当たらない月経困難症です。
子宮口が狭い、子宮収縮物質がたくさん分泌される、風邪など生理時の体調不良、精神的要因が考えられます。
出産経験のない思春期~20代前半の女性は子宮頸管が細くて硬く、子宮口も狭いため、生理のときに血液がスムーズに流れず痛みが出ることがあります。出産を経験して生理痛が軽くなったという方もいらっしゃいます。

月経困難症の診断

超音波検査と内診で、卵巣や子宮の状態を調べます。

月経困難症の治療

患者様の状態に合わせて最適な治療を提案させていただきます。
器質性月経困難症であれば、原因となっている病気の治療を行います。

治療法例
低用量ピル・ホルモン剤

排卵を抑制することで、総ホルモン量を下げ、子宮収縮物質の分泌量を減少させる効果があります。

子宮リング(ミレーナ)

子宮の中に装着しておくタイプのリングで、外来診療時に簡単に装着できます。
子宮内膜を薄くする作用があり、生理時の経血量の減少や、生理痛の軽減が期待できます。

鎮痛剤

子宮収縮物質の分泌を抑え、痛みを和らげます。

婦人科特定疾患治療管理料について

器質性月経困難症に対してホルモン治療(保険ピル、ジェノゲスト、ミレーナなど)を行なっている方が対象となります。継続的な医学管を行った場合、3ヶ月に一度以下の加算がありますので、ご理解の程宜しく御願いします。

 婦人科特定疾患治療管理料:250点(自己負担3割;750円)

月経不順とは

「月経不順」とは、一定周期で来るはずの生理が不規則な周期で来ることです。背後に病気が隠れていることもあり、放置していると不妊症のリスクにつながるほか、卵巣機能の低下や骨粗鬆症になるリスクも伴います。 生理が来ない、生理周期が不安定だという方は要注意です。特に、1カ月以上生理が来ないという方は1人で悩まずにご相談ください。

稀発月経

生理周期が伸び、39日以上3カ月未満で次の生理が来る状態です。

無月経

3カ月以上生理が来ていない状態、もしくは、18歳を過ぎても生理がない状態です。

頻発月経

生理周期が24日より短く、生理頻度が高い状態です。

過短月経

生理が2日以内に終わってしまう状態です。

更年期前の月経不順

女性は35歳前後から徐々に卵巣機能が低下します。
そのため、更年期が早まっていると、生理周期に乱れが生じることがあります。

月経不順の原因

月経不順の原因は様々ですが、最も多いのはホルモンバランスの乱れです。
月経は卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)によってコントロールされています。このバランスが乱れると、生理が来なかったり、生理周期が乱れたりするなどのトラブルが生じます。

月経不順の診断

当院は正確な診断をするために、以下の検査を行い、1~2カ月の時間をかけて患者様の状態を把握しています。

月経不順の検査

基礎体温の測定

婦人体温計で、毎日起床時に舌下の体温を測定していただきます。
患者様の基礎体温のデータから排卵の有無、黄体機能不全、排卵の遅れなどがわかります。

超音波エコー検査

卵巣や子宮の状態を調べます。

ホルモン検査

血液検査で排卵に関係するホルモンを調べます。

月経不順の治療

月経不順の原因と障害の程度、既婚・未婚、妊娠希望の有無、年齢を考慮して、最適な治療を提案させていただきます。また、原因となる病気があれば、その病気の治療を行います。

治療法例
排卵誘発剤の投与

妊娠の希望があれば、排卵を引き起こす薬を使用します。

カウフマン療法

体の中のホルモンの変化を、ホルモン剤を投与して疑似的に再現します。

漢方療法

当院の院長は漢方医です。患者様の状態やご希望に合わせた漢方薬を提案させていただきます。

月経前症候群(PMS)とは

月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)とは、月経前3~10日の黄体期の間にみられる身体的あるいは精神的症状で、月経開始とともに症状が消失してくる状態を指します。
月経前気分不快症候群(premenstrual dysphoric disorder : PMDD)は、精神症状が主体でPMSの最重症型とされています。
日本では、生殖年齢の女性の約8割が黄体期から月経にかけて何らかの症状を自覚しており、社会生活困難を伴う中等度以上のPMSの頻度は5.3%、PMDDの頻度は1.2%という報告があります。

症状

以下の順に多くみられます。

  • イライラ
  • のぼせ
  • 下腹部膨満感
  • 下腹部痛
  • 頭痛
  • 乳房痛
  • 落ち着かない
  • 憂うつ

月経前症候群(PMS)の原因

原因は現在のところ不明ですが、GnRHアゴニストにより排卵を抑制すると症状が軽快することから、性ステロイドホルモンが関与しているといわれています。特に、プロゲステロンの低下はセロトニン分泌低下をきたし、抑うつ、易疲労感、イライラが生じます。

月経前症候群(PMS)の診断

診断には、月経周期との関連が重要なため、「症状日記」を記録していただきます。
区別しなければならない疾患には、精神疾患(うつ病や不安障害など)、器質的疾患(甲状腺疾患や貧血など)があります。

PMS・PMDDの治療

PMSとPMDDの治療法は多岐に渡ります。お気軽にご相談ください。

軽症のPMS

比較的軽症な場合には、カウンセリング・生活指導が有効です。「症状日記」をつけることで、疾患への理解、発症の時期、重症度の位置づけを認識することができます。また、有酸素運動も有効です。休息を十分にとり、リラックスした生活を送ることをお勧めします。カフェインやアルコール摂取、喫煙は控えてください。
当院では、漢方薬(当帰芍薬散・加味逍遙散・桂枝茯苓丸・桃核承気湯・半夏白朮天麻湯・抑肝散など)もお勧めしています。

中等度以上のPMS / PMDD

中等度以上のPMS / PMDDの場合、欧米では黄体期のみに内服する選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitor : SSRI)が推奨されていますが、急に内服を中止した場合に起こる離脱症状などに注意が必要です。

身体症状が主なPMS

超低用量ピルが有効なこともあります。
米国ではPMDDの治療薬としても認可されているホルモン剤です。

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